ほっと一息、ひとりごと

日常をキリトリ✂

銀河鉄道の夜

大学に入ってはまったもののひとつ、銀河鉄道の夜。電車の移動時間に青空文庫で色々読んでいた。サークルの先輩が銀河鉄道の夜をきっかけに日本文学を専攻したと言っていた。高校演劇を描いた小説でも出てきた。それでふと読んでみて、心をぐっと掴まれた。ちょうど銀河鉄道の夜プラネタリウムがあることを知り、一人見に行ったのもいい思い出だ。

昔は宮沢賢治の作品がどうにも苦手だった。独特の暗さと夢の中で現実を突きつけられるような居心地の悪さ。一言でいうと辛くなる。

銀河鉄道の夜も例に漏れず、死に触れる小説だ。でもジョヴァンニとカムパネルラが過ごしたひとときの美しさといったら!大切な人にもう二度と会えなくなったひととき、最後の別れを前に願ってしまう時間なのではないかと思う。うーん、上手く言えない。

アニメ映画版のテーマ曲(細野晴臣さんのもの)は銀河鉄道の夜の空気感を本当によく表していると思う。祖父が亡くなったときはその曲を聞きながら手紙を書いた。明日の今頃は銀河鉄道に乗って美しい星空をのぼっていくのかもしれない。私はその場所にいられないけれど、その時手紙を読んで少しでも思い出してほしいと願いながら。

大好きな曲、でもこの曲を聞きながらあと何回手紙を書くのだろうと考えると少しだけ辛くなる。でもその辛さが今の生活、そして伝えられる相手がいる幸せを再確認させてくれるのだ。