ほっと一息、ひとりごと

日常をキリトリ✂

春の空気は桜色

家を出るといたるところで桜を目にするようになった。民家の一角、道路沿い川沿い、遠くに見える公園などなど。薄いピンク色のもこもこ具合が綿あめに見えて美味しそう。長男にそう言うと、あれはピンクじゃない!白だよ!と返された。確かにほとんど白だ。桜=ピンクの先入観というか固定概念を気付かされた。

桜の開花とともに暖かくなり一気に春がやってきた。春の陽気に誘われたのか、外を出歩く人を多く見かけるようになった。特に自転車に乗っている人が多い。これは春休みだからかもしれないけれど。暖かい風をうけて走り去っていく人々の様子はどこか明るい。高齢の方々ものんびり散歩を楽しんだり、田んぼを囲うコンクリートに少し座って休憩したり。あるいは畑作業や庭仕事、家の掃除に精を出している人も。冬の間にじっとしていたものが春になって動き出す。なんだかワクワクする。

綺麗な桜を見るのは心が弾む。それよりもっと嬉しくなるのは桜を見る人を観察しているときだ。桜の下で明るい表情で語らう人たち、満開だね〜もう散り始めてる〜という言葉がいろんな方向から聞こえてくる。みな上を向いていて、でも写真を撮っている人がいればさり気なくスペースを空ける。お弁当を持ち寄って楽しげに談笑するグループもある。中には悲しい気持ちで見ている人もいるのかもしれない。でも不思議と桜の下ではいつも以上に優しい世界が広がっている。

他にも犬の散歩をしながらなんとなーく桜に近づいていく人、急ぎ足にも関わらずちらっと桜を一瞥している人。自転車が桜並木のでは減速する様子。花びらを集める子どもたち。綺麗なだけでなく、人の素敵な面を見せてくれる桜が大好きだ。雨であっという間に散ってしまう前に楽しみ尽くしたい。