ほっと一息、ひとりごと

日常をキリトリ✂

母になっていく

人はいつから母になるのだろうか。

全く自慢ではないが、私は大人にさえなりきれていない。20代も半ばに差し掛かるのに中身は学生のときのままだ。理不尽な目にあったときワーワー喚くので、もしかしたら幼稚園児という可能性もある。一応、喚いたりするのは基本家族の中だけで、外では大人らしく振る舞っている(つもり)。そんな私が母をやっている。

子供を産む前は妊娠出産という身体の大改革をとともに精神も大改革されて母になっていくのだと思っていた。今振り返ると、そんなわけない。お腹の子供を心配する気持ちはあれど、自分よりも子供をファーストになんてできない。出産のときも陣痛のピークでは「痛い!どうしてこんな目にあわなければならないの!!」と泣いた。お腹の赤ちゃんも苦しいなか頑張っている、私も頑張ろう!なんてポジティブな母にはなれなかった。

生まれてからもそうだ。産まれたての赤ん坊を見て「やれやれ無事に産まれてきて良かった。」とは思ったけれど、いまいち母になったという実感は湧かなかった。実感はなくても育児は始まる。入院中、ズキズキ痛む身体でおむつを変え、授乳し、ミルクをあげる。今となってはなんてことない作業だが、当時は全部初めてのことで一つ一つに時間がかかった。抱っこも授乳もうつむいた姿勢ばかりで身体がこる。こんな大変なお世話を、これから先、時には自分を犠牲にして続けられるのかしら。そんな不安を抱えつつ、時にはワーワー泣きつつここまで来た。

まだまだ子供っぽさが抜けない私だが、少しずつ「母」になっている。それに気づくとき。お風呂上がりに自分ではなく息子の保湿、着替えを優先したとき。上手く寝れず癇癪を起こす息子を辛いね、と抱っこしてあげるとき。(以前ははよ寝ろ!と思っていた。)パッとは思いつかないけど、他にもたくさんある。最初は義務感が強かった育児も少しずつ母性で行うようになってきた。息子と意思疎通できるようになったのも大きいと思う。

息子が生まれてもうすぐ1年半になる。ものすごいスピードで成長する息子には及ばなくても、私のペースで母になっていきたい。